東証グロース時価総額最下位の地域新聞社の決算と事業を分析してみた

こんにちは。

今日は、東証グロース銘柄の中で現在一番時価総額の低い地域新聞社を分析してみたいと思います。

 

時価総額が低い企業を分析する経緯としては、以下と私は考えています。

時価総額が低い→市場での評価が低迷している→業績がパッとしない

・そうした企業がどういった施策を打ち、現状を打開しようとしているのかを確かめたい

 

早速、見ていきましょう。

 

地域新聞社について

創業は1987年と30年以上も事業を行なっている東証グロースとしては社歴長めの企業かもしれません。

上場は2007年とこちらも15年以上、上場していることになります。

 

株価は2018年から2019年のあたりで一旦急騰してますが、それ以外は現状の株価に比較的近いところで落ち着いています。

 

主要事業は、「ちいき新聞」の発行およびチラシ折込事業となっています。

「ちいき新聞」とは、1エリア約3万世帯前後という、小さなエリアに向けて、手配り式フリーペーパーというもののようです。

主に千葉県を中心に事業を展開しているようです。

 

決算とか(2021年8月期)

売上高:2,788百万円

営業利益:-51百万円

経常利益:-50百万円

純利益:-86百万円

PER:-14.93倍

PBR:15.85倍

ROE:-90.1%

配当利回り:0%

時価総額:815百万円(2022年6月29日時点)

 

想像通りではありますが、赤字です。

それにしても上場企業で時価総額8億円というのは驚きです。

更に驚くのが、PBR15.85倍ということ。どれだけ純資産が少ないのかということが推察されます。

 

純資産を見ると、8,100万円しかありません。

また、現預金は9億、売掛金が2.6億もありますけど、買掛金が1億、借入金が7.5億もありますので、ネットキャッシュは相当少ない状況です。資金繰りもなかなかタイトです。

 

ちなみに、8月期決算ですので、今現在第二四半期まで決算が出ています。

売上高:1,440百万円

純利益:12百万円

なんとか黒転してます。

 

事業について

ちいき新聞の発行、折込チラシ事業に関しては、コロナ前の80%程度まで回復しているとのことです。

 

新規事業としては、

・地域のコミュニティサイト「ちいコミ」

・BtoBtoCの野菜販売

・中学生向けキャリア教育副読本の発行

・HR事業としてキャリア誌の発行

などを行なっているようです。

 

考察

主力事業がうまくいかなく、新規事業にパラパラと手を出す典型的なパターンです。

但し、地域新聞社の良いと思われるところは、主力事業の派生系のビジネスを展開し、強みである小さな地域というコミュニティにレバレッジをかけているところかと思います。

ただ、どれもまだ小粒という印象は拭えず、育成するまでにキャッシュや本業の収益性を保てるかというところは疑問符です。