HSホールディングスについて分析してみた
こんにちは!
ブログ全然更新していないなぁと思っていたら、最後の更新が2022年の6月ということでかなりのご無沙汰でした。
これから少しずつ更新できればと思っています。
さて、今回は最近とある本の中で言及されていたHSホールディングス(旧澤田ホールディングス)について少し分析してみたいと思います。
HSホールティングスについて
元々は、地場の証券会社であったようですが、旅行代理店のHISホールティングスの創業者である澤田氏が1999年に株式の70%を取得し、澤田氏およびHISの実質的な会社となったという経緯があるようです。
証券事業を中心に多角的にビジネスを行ってきましたが、最近では祖業である証券事業、FX事業、債権回収事業などを売却し、海外で金融事業を営むという中々特殊な事業内容となっています。
現在では、セイコー創業家のファンドが主要株主となっています。
実際にどんなビジネスを現在行い、どういった収益構造になっているか早速見ていきましょう!
決算(2022年3月期)
売上高:61,566百万円
経常利益:17,813百万円
純利益:6,545百万円
時価総額:42,346百万円(2023年4月25日時点)
PER:8.13倍
PBR:0.72倍
ROE:12.2%
これだけ見ると、純利益率も10%ありますし、利益の絶対額も大きいですし、PERなどは市場平均よりも低い形になっています。
事業内容
主要事業は、銀行事業で2つの銀行を連結子会社に、1つの銀行を持分法適用会社にしています。
ハーン銀行:議決権比率55.3%
ソリッド銀行:46.8%
銀行3行については、設立より関わるというわけではなく、入札や第三者割当増資引受などにより、経営に参画する形となっています。
ソリッド銀行は2012年、キルギスコメルツ銀行は2017年に経営に参画していますが、ハーン銀行は2003年からと古く今年で20年も関わっていることになります。
収益的な観点では、ハーン銀行の営業利益が150億円程度なのに対して、キルギスコメルツ銀行は、ほぼ収益フラット、ソリッド銀行も同様なので、実質ハーン銀行の経営で持っている感じですね。
売却した事業について
それ以外に、エイチ・エス証券、外為どっとこむ、エイチ・エス債権回収という3社を有していましたが、全て売却をしています。
エイチ・エス証券→売却先:Jトラスト(売却価額:5,550百万円)
外為どっとこむ→売却先:伊藤忠商事(売却価額:12,900百万円)※売却持分は40.19%
エイチ・エス債権回収→売却先:きらぼし銀行(売却価額:3,200百万円)
エイチ・エス証券は、ここ数年の純利益が4-5億円程度であり、55億円での売却というのは、なんというか足元を見られたというか、そんな感じです。
外為どっとこむは、純利益が20-30億円程度ですので、バリュエーションはPER15倍で300億程度になると思いますが、そう考えると、妥当な金額と言えると思います。
エイチ・エス債権回収は、純利益が1-2億円程度ですので、バリュエーション的には妥当な水準と言えるでしょう。
まとめ
BSに関しては、銀行業を営んでいることもあり、詳しく分析できていません。
したがって、PBRという観点ではコメントがありません。
見てきましたように、ハーン銀行の動向が全てと言っても過言ではない状況ですので、モンゴルのリテールバンクにどこまでベットできるかという話になりそうです。
モンゴルやモンゴル金融の未来に希望があると考えた場合、わざわざモンゴルで証券口座を開設し、株を買うという面倒な作業をすることなく、モンゴルに投資できるのがこの会社の魅力でしょうか。