マネックスグループの業績と決算を分析してみた
こんにちは。
今日は、マネックスグループの決算を分析してみたいと思います。
ネット証券業、米国での証券業、仮想通貨交換業、最近では日本株アクティビストファンドなんかも運営しています。
話題の大きな会社です。
早速見てみましょう!
会社概要
会社ウェブサイトには、金融商品取引業等を営む会社の株式の保有とあります。
いや、ホールディングスカンパニーなんだからそうなんだろうけど、もっと丁寧に記載してくれよと思います。
有価証券報告書を見ると、1999年にゴールドマンサックスのパートナーであった松本大氏が設立した会社であるということがわかります。
ネット証券ビジネスからスタートし、FXなどを提供し、米国証券会社であるトレードステーションを買収し、その後仮想通貨交換業であるコインチェックを買収し、その他にマネックスアセットマネジメントという資産運用会社や日本株アクティビストファンドなんかを運営しています。
業績とバリュエーション
売上高:88,783百万円
経常利益:20,801百万円
純利益:13,017百万円
PER:13.48倍
PBR:1.65倍
ROE:13.4%
時価総額:127,037百万円(2022年5月23日時点)
金融機関にしては、PBRも高く優秀に経営されていることがわかりますが、前期に比べると今期は苦戦しているようです。
株価も2021年11月には、1,000円を超えていましたが、現在は475円ほどです。
といいますか多分に仮想通貨市場の価格に影響しており、ボラティリティの高い株価となっています。
マネックス証券のウェブサイトから検索してみましたが、ご覧の通り、日経平均やS&P500の値動きよりも株価がビットコインに連動していることがわかります。
SBIの場合、S&P500に近い動きをしていますので、マネックスはやはり特殊です。
ということで、予想通りですが、マネックスは株式市場では、仮想通貨関連銘柄に近い感じですね。
業績についてもっと詳しく
さらに詳しく事業について見てみましょう。
全体の当期利益:13,017百万円
日本セグメント:11,965百万円(うち暗号資産売却益3,956百万円)
→日本株式自体は毎年の同じような感じみたいなのですが、信用取引残高の増加により収益がアップしているようです。それと暗号資産売却益が大きい。
米国セグメント:▲5,557百万円
→収益的には増加していますが、費用面で成長投資の広告宣伝費や人件費の増加により大幅な赤字となっています。
クリプトアセット:13,870百万円
→いやぁ絶好調です。儲かりますね。営業収益が28,673百万円なので半分近く儲けです。
考察
ということで、安定的に儲かる日本のネット証券ビジネスを保有しつつ、コインチェックという金脈を当てた松本大氏の慧眼には驚くばかりです。
気になったのが、コインチェックやトレードステーションは収益的に今後も期待できるビジネスだと思うのですが、その場合、上場させてこれからの利益を新株主に還元するより100%マネックス内で保有した方がいいのではないかと思いました。
あるいは、コインチェックとトレードステーションのSPAC上場から生まれる利益で何か欲しいものでもあるのかもしれません。
一応、マネックスグループもマネックス証券も清明氏がそれぞれ代表権を持っていますが、ここまでのところ明確な成果は出せていないという状況だと思います。
いきなり創業社長である松本氏と同等の能力を発揮しろという方が無理難題かもしれませんが、カラーを出していかないと厳しいような気もします。
どの会社もカリスマの後任は大変ですね。