ゴールドクレストの決算とか分析してみた
こんにちは。
今日は、ゴールドクレストについて分析してみたいと思います。
なぜ?ゴールドクレストというところですが、利益率に対して株式市場での評価がイマイチということで選んでみました。
会社概要
ウェブサイトには、
「新築マンションの企画・開発・分譲事業」
とあり、典型的な不動産会社といった感じでしょうか。
販売するマンションについては、こだわりとしてハイグレードマンションというものがあるみたいです。
ハイグレードマンションといいつつ、供給するマンションを見ると、都心部というよりは郊外という感じではあります。
業績とか(2022年3月期)
売上高:34,245百万円
経常利益:11,544百万円
純利益:7,597百万円
PER:7.94倍
PBR:0.47倍
ROE:6.1%
時価総額:59,830百万円(2022年5月23日時点)
経常利益率で30%近くあり、非常に優秀な会社であることがわかります。
一方で、PERは10倍以下、PBRは0.5倍以下と株式市場での評価がイマイチです。
そのせいもあってか、配当利回りは4.5%もあります。翌期の予想配当利回りは4.78%とさらに利回りが上がります。
東証が出している、業種別PER/PBRでは、不動産業界のそれは、
単純平均PER:13.8倍
単純平均PBR:1.2倍
ということで、ゴールドクレストが業界平均に比べても株式市場での評価が低いことがわかります。
この辺の評価を考える前に、事業を見てみたいと思います。
事業
事業系統図は以下の通りです。
セグメント別売上では、
不動産分譲事業:81.5%
不動産賃貸事業:7.8%
その他事業:10.8%
ということで、マンションを開発して、販売するシンプルなビジネスモデルであることがわかります。
マンション開発販売については、日本経済の状況に依拠するところであると思いますので、こちらでは説明を割愛させていただきます。
社長の安川氏について
よくあるマンションディベロッパーの創業者といえば、大手の不動産会社出身で、強烈な営業スタイルで成り上がるというのがあるかと思いますが、ゴールドクレストの安川氏は異なります。
東京大学工学部卒業後、リクルートに入社し、30歳にてゴールドクレストを創業しています。
不動産会社営業出身が悪く、安川氏の経歴がいいとは言いませんが、非常に特徴的であると思います。
ゴールドクレストの株式市場での評価について
まず、翌期は減収予定です。
減収に対しての株式市場での負のインパクトは相応にあると思います。
過年の決算を見ても、売上高は増収したり減収したりといった具合なので、まぁ評価が付きにくいというのはあるかもしれません。
好財務、好財務とよく言われますが、たしかにその通りです。
利益剰余金が1,000億円あり、
ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)は、300億円近くあります。
その他、BSには販売用不動産が約800億円、建物が約250億円、土地が約184億円あります。
現在の時価総額が590億円ですので、ネットキャッシュの300億円を差し引くと、290億円ということで、簡易的には販売用の不動産と建物の価値が290億円と評価されていることになります。あくまでPBRだけを見た際の評価ですが。。
考察
不動産業界は、景気の影響をモロに受けるため、先がなかなか見通しくにいというのはあると思います。
特に、昨今では不動産業界の過熱感は否めないところではありますが、強固なBSを持つゴールドクレストは現在の株価であればなかなか魅力的なのではないかと思いました。