JUMIAの1Q決算を分析してみた

こんにちは。

アフリカのアマゾンことJumia Technologiesの1Q決算が発表されました。

発表後、株価は大きく上昇しました。

前日比+30.92%、ストップ高制度のないアメリカ市場らしい株価の値動きとなっています。

 

ちなみに、Jumiaの株価はここのところ低迷していまして、

2021年2月には62ドルまで上昇していましたが、最近は5ドル台まで株価が下がっている状態でした。

そこからまた上昇し、7ドル台になったというのが最近の値動きです。

さて、余談でした。

決算を受けて株価が大幅な上昇をしたJumiaですが、決算がどんな感じだったか見ていきたいと思います。

 

Jumia Technologiesについて

アフリカのアマゾンと呼ばれています。

主に西アフリカ地域において、電子商取引プラットフォームを運営しています。

 

1Q決算

赤字は引き続きガンガン掘っている状況ではりますが、アクティブユーザー数、GMV、TPVは好調な成長を見せ、売上も伸びています。

アクティブユーザー数は310万人、

GMVはUSD252MM、

TPVはUSD70MMという規模感です。

※GMVとTMVについて一応記載しておきます。

GMV:Gross Merchandise Valueの略。流通取引総額、計算式は、取引数×平均注文単価

TPV:Total Payment Valueの略。

 

1Qの売上は、USD47.6MM

1Qの営業損失は、USD66MMです。

BSを見ると、

Term deposits and other financial assets:USD332MM

Cash and cash equivalents:USD88MM

と当面のキャッシュには問題ないと思いますが、そろそろ黒字に向けて動きたいところではあります。

 

少し分析

2022年5月17日時点での時価総額は、USD723MMです。

これまでの決算で赤字しか経験したことない決算のJumiaにとっては、バリュエーションもあったものではないと思いますが、AmazonとメルカリのGMVからバリュエーションを計算してみたいと思います。Amazonに関してはAWS部門がかなりバリュエーションに乗ってきていると思いますが、参考程度に計算してみます。

 

Amazonの年間GMV:6,100億ドル。1Qでは2,500億ドルくらいですか。バリュエーションは1兆1,000億ドルですから、1QGMV/Market Capは約4倍くらいでしょうか。

メルカリの1QGMV:約2,000億円。約3,000-3,500億円くらい。なので Cap/QGMVは約1.5倍くらいでしょうか。

Jumiaの1QGMVがUSD252MMなので、メルカリ基準だとバリュエーションの目線はUSD378MM、AmazonAWSがあるので2.5倍くらいだとするとUSD630MMくらいが妥当なところでしょうか。

 

成長力からもう少し比較してみます

AmazonのGMV成長率

2018年:USD277bn

2019年:USD335Bn

2020年:USD490Bn

2021年:USD600Bn

CAGR(年平均成長率)は、29.38%でした。

 

メルカリのGMV成長率

2018年6月期:3,468億円

2019年6月期:4,902億円

2020年6月期:6,259億円

2021年6月期:7,845億円

CAGR(年平均成長率)は、31.55%でした。

 

今回、発表されている1Q決算からGMVの伸びは、27%ということでしたが、Amazonやメルカリと比べても伸びはまだまだですね。

 

その他サマリー

マーケティングにおいては、マーケティング費をしっかりかけながらブランド地位向上を目指しているようです。

・価格競争力を保つために、自動的にJumiaの全商品の価格をコントロールするシステムを導入しています。

・2022年4月に、ナイジェリアにてJumiaPayの登録完了し、まずはリモート診療のe-doctorと連携しながら、事業拡大を図っています。

 

考察

ラストフロンティアと呼ばれるアフリカで電子商取引プラットフォームという誰の目にも魅力的に映るビジネスをやっているということで、GMVの伸びなんかは少し不安なところもありますが、長期的に見守りたいと思います。

何より、アフリカ経済が伸びれば、GMVの成長率も高くなると思いますので、焦らずじっくり成長を待ちたいところですね。

また、新たにリリースしたJumiaPayも収益の柱にできるか注目の的になりそうです。