高収益!イーギャランティの事業と決算を分析してみた

こんにちは。

今日は、久方ぶりの高収益企業の事業と決算を見てみたいと思います。

選んだのは、イーギャランティです。

利益率の高い企業をソートした場合、多いのは金融・医薬品・ネット、この3つが多いと思います。イーギャランティもまさにそれに該当します。

 

さっそく業績(2022年3月期)

売上高:7,894百万円

経常利益:3,760百万円

純利益:2,463百万円

PER:38.97倍

PBR:4.87倍

ROE:14.5%

時価総額:95,705百万円(2022年5月20日

経常利益率は47.63%、すごいですね。

株式市場では、PERやPBRも見ても、かなり評価されていることがわかります。

売上が78億円で時価総額950億ですからね。

 

会社概要

2000年に伊藤忠商事の子会社として設立されています。

電子商取引の決済サービスにおいてファクタリング会社が保有する金融債権の保証を目的として設立されました。

 

事業内容

会社ウェブサイトの事業内容には、

「信用リスク受託・流動化事業」

と記載があります。

信用リスク受託、、流動化事業、、なんだか難しくてどんなことやってるかイメージがしづらいですね。

四季報などを見るに、企業の売掛金債権を商売にしているようです。

 

大株主

大株主第1位は、伊藤忠商事で13.5%、第5位は、帝国データバンクで6.1%、第8位は、NTTデータで3.0%となっています。

 

事業についてもっと詳しく

事業は非常にシンプルです。

単一事業で、「信用保証事業」

平たく言うと、さまざまな企業の債権保証を行うほどで、その引き受けるリスクに応じて保証料を手に入れ、また一部の債権保証について、イーギャランティがそのリスクを審査分析し、他の投資家にリスク引受機会の提供をすること、そしてイーギャランティのリスクを軽減しています。

事業の流れがわかりました。

 

 

決算ハイライト

ここまでが長くなりました。

決算の内容を見ていきましょう。

収益の元となる保証残高は、8,315億円で前期比30.5%増と好調なようです。

保証債務残高は、5,822億円です。上記の8,315億円は保証先の枠いっぱいの数字のようです。

平均保証率は、 1.46%となっています。ここ数年の数字を見ても、平均して1.5%近辺を推移しています。

倒産件数が全国的に少ないことや、低リスクの大型案件が多いことが影響しているようです。

また、収益に関しては、20期連続の増収増益ということで、素晴らしい決算内容です。

 

まとめ

売上は、保証債務残高×保証率というとってもシンプルなものですね。

売上原価は、倒産等による債務保証で支払ったものになります。

固定費も低いため、収益力があることがわかります。

 

競争力の源泉

・金融機関、保険、商社、リースなどの企業との強い連携により暑い販売網を構築していること

→これは、元々伊藤忠の子会社として設立されていること、伊藤忠帝国データバンクNTTデータなどが株主になっていることが大きいかと思います。

・引受債権のリスク審査分析

→リスクの見極めが多いことで、リスク再引受先を見つけることが容易になるものかと思います。

 

考察

イメージとしては、住宅ローン保証の全国保証の企業版といった感じでしょうか。

独自のビジネスですし、創業の経緯からしてもなかなか他社が一日一夕で模倣できるビジネスでもないと思いますので、安定的にこれからもビジネスが運営されると思われます。

また、自社営業員も今後増員予定(30%増を目指す)であり、売上のアップサイドにつながるかと思います。

一方で、多くの企業のリスクを引き受けているということは、日本経済全体の停滞リスクを引き受けているとも言え、リスクの審査分析、移転は行われていますが、不安は多少残りますね。

株価も、バリュエーションは前半で見た通り、既にかなり評価されています。

経常利益率が高いことは素晴らしいことですが、売上の10倍以上の時価総額というのは高いようにも思えますね。