好決算!全国保証の事業と決算を分析してみた

儲かってる企業を分析するシリーズ第二弾は全国保証にしてみました。

自分も全国保証の事は知っていましたが、具体的にどんなスキームでどんなビジネスをしているかよくわかっていなかったので、調べてみました。

 

国保証とは

会社概要には、事業内容として「信用保証業務・損害保険の代理業務・信用調査業務」

と記載があります。

四季報の事業の特色には、「独立系の信用保証最大手。金融機関全業態と提携の住宅ローン向けが柱。沖縄除く全国営業展開」と記載があります。

ここまでで分かることは、金融機関等が融資する住宅ローンの信用保証をする会社ということでしょうか。

 

会社概要

1981年に、厚生年金転貸住宅資金融資制度の信用保証を目的とする会社として設立されたそうです。

2020年には、保証債務残高が14兆円を超えています。

株主構成としては、富国生命明治安田生命太陽生命保険、第一生命保険と生命保険会社が主要株主に名を連ねています。

その中で注目なのが、アクティビストファンドとして有名なタイヨウファンドが大株主第6位として記載があります。

タイヨウファンドがどういったエンゲージメントをしているか気になるところです。

 

事業

有価証券報告書には、以下のような事業説明があります。

住宅ローンを申し込んだ顧客の連帯保証を行うことで、顧客が保証料を支払うことが主だった収益源になっています。

顧客が住宅ローンの返済を行うことができなくなった場合は、全国保証が代理で金融機関に返済することになります。また、その債務を全国保証が引き受けることになります(多分)

事業の概要はなんとなくわかりました。

商品ラインナップとしては、このほかに以下のものがありました。

・教育ローン保証

・アパートローン保証(現在は新規受付停止中)

・カードローン保証

 

業績とか(2021年3月期を基に作成)


売上高:47,834百万円
経常利益:38,991百万円
営業利益率:81.51%
純利益:27,002百万円

時価総額:308,545百万円(2022年4月26日時点)
ROE:17.4%
PER:12.96倍
PBR:2.11倍

うーん、これだけ見ると完璧すぎて投資したくなる。高収益だけれども、PERもPBRもそこまで高くない。よだれが垂れてきます。業績の推移もついでに見てみましょう。

 

営業収益も純利益も安定していて、魅力的な会社であると思います。では、この中身がどうなっているか見てみましょう。

費用の面でも、大きな固定コストはなく、安定的に儲かる企業であることがわかります。アサックスでも見ましたが、やはり最大の事業リスクは、信用保証を行っている顧客の返済が滞る(含む不動産価格の下落)です。

また、BSに多くある投資有価証券も、不動産価格の下落とともに株式市場の冷え込みが見込まれるため、大きな影響を受けることが考えられます。

ただ、ビジネスモデルは競合の数が少ないと考えられ、独占的に信用保証という分野でビジネスを行っているという理解です。

 

考察

個人的には、前述の通り、競合が比較的に少ないこと、安定的に高収益を上げるビジネスモデルであること、PER/PBRが低位であること、アクティビストファンドとして有名なタイヨウファンドが関与していることを考えるに、投資妙味があると考えます。

ただ、不動産市場に関しては、米国では既に利上げによる冷え込みが予想されており、本邦においては低金利の継続が約束されているとはいえいずれ金利上昇局面は訪れると少なからず不動産市場も影響を受けることが予想されるため、自らのポートフォリオにおけるエクスポージャーは限定的になるかと思います。