数少ない運用上場会社、スパークスを分析してみた

こんばんは。

運用会社、投信の購入を通じて多くの投資家は通じているはずなのですが、あまり脚光を浴びることはありません。

イーマクシススリムもツミレバもここ数年ものすごくAUMを増やしていきましたが、じゃ実際三菱UFJ国際投信とか大和アセットとか知ってますかと言われると、ノーって感じだと思います。

その中で、スパークスは運用会社では珍しく(?)上場しています。その中身を今回は見ていきたいと思います。

それでは分析を始めていきましょう!

 

スパークスについて

1988年に設立された独立系の運用会社(投資顧問会社)です。創業者であり社長であり阿部氏は、業界では大変な有名人であり、スパークスの株式の過半数保有する大株主です。

2022年3月末時点での運用残高は以下の通りです。

全体のAUMが1兆5,557億円で、そのうち約3分の2である1兆210億円が日本株式ファンドです。

 

業績とか

売上高:14,295百万円

経常利益:6,189百万円

純利益:3,468百万円

PER:18.01倍

PBR:2.68倍

ROE:16.1%

時価総額:53,861百万円

利益の率の高さが目立ちますね。運用業界はその構造上、売上に係る変動費が小さいため、AUMが積み上がれば上がるほど、その分の信託報酬が利益になるという素晴らしいビジネスモデルになっています。

約1兆5千億のAUMに対して、時価総額が530億です。AUMの30分の1が時価総額です。

私は、ウェルスナビの時価総額は常々高すぎると思っているのですが、ウェルスナビのAUMは約6,500億で、時価総額は817億です。

スパークスと同じAUM/時価総額の倍率を使えば、時価総額200億くらいが妥当だと思います。ウェルスナビはSaaSモデルでと言ってますが、確かにそれはその通りかもしれませんが、毎月積み立てしている投資家はスパークスもいるでしょうし、商品性から言えばスパークスの方が余程エッジの効いた商品を販売していると思います。

ウェルスナビの話が長くなりましたが、いずれにせよスパークスはめちゃくちゃ儲かるビジネスモデルであることはたしかです。

 

その他特色

これまでスパークスが得意としてきたアクティブ運用は継続しつつ、昨今では再生エネルギーやプライベートエクイティファンドに注力しています。

個人的には、上場企業の運用と、プライベートエクイティと言われる非公開企業のエンゲージメントや、スタートアップ企業への投資は投資といえど全くの別物であると思うのですが、阿部氏の慧眼で伸びてきているのかもしれません。

 

考察

運用会社はシンプルなビジネスモデルのため、あまり考察がありません。

再生可能エネルギー分野への投資は国策として今後も継続されるでしょうし、プライベートエクイティ分野の投資も地方創生や中小企業のM&A増加などの勢いを受けるでしょう。

従って、AUMの増加及び成功報酬や投資顧問料の増加は見込めるかなと思います。

ただ、運用会社の場合、BSに大したものがなく、キーマンが抜けると一気にAUMへの下落につながることからも、PBRが低い場合のみ投資妙味があるのではないかと個人的には思います。現状の2倍以上の水準は厳しいかなと感じます。

また、PERの観点からも、18倍と上場企業の平均より少し上という感じでそこまで高いという風には見受けられませんが、運用会社は儲かりやすい一方で安定的に収益を上げるビジネスであることを考えると、若干高いという印象が拭えません。