高収益!東京都競馬を分析してみた
こんにちは。
高収益企業を分析するシリーズ、今回は東京都競馬について見ていきたいと思います。
競馬、全然わからないのですが、東京都競馬が何をやっているかもよくわかりませんが、見ながら勉強していきたいと思います。
東京都競馬について
会社概要には以下の記述がありました。
「当社は、東京都が施行する競馬事業の施設を提供することを目的として昭和24年に設立されました。
以来、公営競技の施設会社として、各種施設の整備・拡充に努めてまいりました。現在では、大井競馬場を特別区競馬組合に、伊勢崎オートレース場を伊勢崎市に賃貸しております。また、経営環境の推移とともに事業の拡大を図り、遊園地(東京サマーランド)の経営や大規模物流関係施設、大型商業施設を建設し、これらの施設賃貸事業にも進出しております。」
有価証券報告書では事業を以下のように説明しています。
上記から、大井競馬場の地主であり、東京サマーランドや倉庫を保有し、運営を行なっています。東京サマーランド持っているのは知りませんでした。東京サマーランド行ったことないですが。。
今のところ、読み取れるのは、ではここは不動産業?という感じもするのですが、サービス業なので、競馬とオートレースから定期収入が発生しているんでしょう。
事業についてもっと詳しく
今見たように、主に4つの事業を行なっています。
1)公営競技
2)遊園地
3)倉庫
4)その他
1)公営競技
大井競馬場、場外発売所、伊勢崎オート場の事業を行なっています。
賃料は、勝馬投票券を元に一定料率を徴収しているようです。また、インターネット投票サービス(SPAT4)も運営しています。
売上高:23,456百万円
セグメント利益:11,047百万円
現在、地方競馬全体の馬券売上のうち、約92%がネット販売で、約45%がSPAT4経由によるものということです。
コロナ禍により、SPAT4は順調に成長しています。
2)遊園地
売上高:1,752百万円
セグメント利益:−427百万円
東京サマーランド、わんダフルネイチャーヴィレッジを運営していますが、コロナ禍によりリアルビジネスはまだ厳しいのでしょう。
3)倉庫
売上高:4,883百万円
セグメント利益:2,936百万円
安定的に儲かっています。
4)その他
売上高:2,038百万円
セグメント利益:433百万円
大井競馬場前ショッピングモールと空調工事事業を行なっています。
なぜ、空調工事、、、?
業績とか
売上高:31,800百万円
経常利益:12,842百万円
純利益:9,084百万円
PER:13.51倍
PBR:1.68倍
ROE:12.7%
時価総額:120,524百万円(2022年5月2日時点)
過年の利益も見ても、純利益率で20%を超えていますし、SPAT4の成長で利益率も伸びています。
しかし、PERやPBRを見ても、割安ですし、よだれが垂れそうな感じです。
BSを見ても、たんまり利益剰余金が貯まっていますし、借入金も多くないです。
成長可能性
事業面
こんなに儲かっていて、株式市場での評価が低いことについて少し考えてみたいと思います。
おそらく、公営競技の成長に関するところが評価されていないということになると思います。
私見ですが、公営競技は独占的なビジネスであり、ネット販売が好調なのも良い傾向かと思います。そこまでネガティブな気はしません。
一方で、遊園地は減損するなど、厳しい状況が続いてします。
しかし、全体の収益に対するインパクトは大きくないため、軽微なものと考えます。
株主
東京都が27.7%を占めており、株主側から企業価値向上への施策が示せるかクエスチョンマークが付くかなと思います。
考察
固定費も少なく、安定的に収益が期待できる魅力的なビジネスモデルだと思います。
安定的に収益が見込めるため、新規事業への参入も検討しやすく、成長可能性も高いと感じます。一方で、大株主である東京都の行方、そしてその他の株主の経営への参画の動きがあると更にいいかと思います。
投資という観点から言えば、バリュエーション的には十分に投資対象だと思います。
こうした企業へのアクティビズム、めちゃくちゃおもしろそうですね。